毛無山(けなしやま)入野峠(いりのだお)枕牧場(まくらぼくじょう)
 
単独 2010.05.30 
高野会館(8:00)→(町道大久保線)→林道終点(8:43)→横吹峠(9:14)→毛無山(9:31/39)→横吹峠(9:56)→1079m峰(10:26)→旧入野峠(11:55)→入野峠(12:09/36)→838.3m峰(13:01)→枕牧場乗越(13:40)→林道終点(13:51)→地震観測施設(14:23)→枕牧場入口(14:42)→(県道40)→美和郵便局(14:58)→中高野バス停(15:13)→高野会館(15:15)
アルバム

芸北町消防団第2分団1班駐屯所(8:07)

大久保地区の農家(8:13)
高野側から毛無山の山頂に立ち、阿佐山への縦走尾根を行って、途中で南に分ける分水嶺に取り付くことにする(陰陽分水嶺は、阿佐山の頂上で県境から外れ、毛無山へ続く南西尾根の二十丁峠より南に分けている)。車の置き場所に苦労する。思い切って高野会館に駐め、地形図と目指す稜線から大凡の見当をつけて、町道大久保線に入る。入口にレトロな消防団の屯所が建っていた。町道を600mばかり上がる間に、7戸の農家が散在している。いずれも母屋はトタンで覆った茅葺の家で、家の周りや田植えの終わった畦道は刈り込まれ、平和な山里の風情を醸している。休耕田に放たれた和牛が2頭、美晴の空の下でのんびりと草を食んでいた。大久保地区はインキョノ谷間に開けた集落で、下手の平坦地をチイチイ原と呼んでいるが、その意は知らない。

林道終点(8:43)

横吹峠越えの径(8:55)
集落が途切れると町道は林道に変わるが、舗装路は続いている。入口から1400mばかりの所で、未舗装の道が左手のカナヤ谷に分かれて、九十九折れに上っている。簡易水道施設がある所から先は、整備中になり、10分ばかりたどると終点になった。林道終点から右の谷に入るが、踏跡はなく、歩きにくいので、左の尾根に取り付く。尾根を140mばかりたどると、移原から赤羽峠を経て横吹峠へ至る径に出た。「『国郡志御用付下調書出帳・大暮村』の村内絵図には、この鞍部に〈横吹〉の名が記されているので峠名とした。西中国山地(桑原良敏)

横吹峠(9:14)

毛無山山頂(9:31)
径に出て20分ばかり上ると横吹峠に着く。乗り越せば、姥御前神社を通り大暮に至る毛無山の横手道が続いている。阿佐山側は杉の植林地、毛無山側は闊葉樹林の十文字峠である。これからたどる熊城山や枕牧場を眺めようと、毛無山に寄道したが、青葉をまとった闊葉樹たちに邪魔されて、それは叶わなかった。が、木漏れ日の差すブナ森に立ち、涼風に癒されるのも、また良い。
 

1079m峰(中の丸見山)(10:26)

旧入野峠の石祠(11:54)
横吹峠に戻って、阿佐山への縦走路をたどる。分水嶺は二十丁峠より分かれるのであるが、少々気が急いて、手前の〈中の丸見山〉の南東尾根を下ってしまう。1079m標高点の新しい標石が藪の中にあった。読図の未熟さを再認識する始末。インキョノ谷の手前で間違いに気付き、東にトラバースして分水嶺に移り、この谷の突き上げ鞍部に降りた。上り返して南に400mばかり行った所から、南東の枝尾根を下り、旧入野峠に出た。峠の一段高いところに石祠が祀られていた。

県道79号線の入野峠(12:09)

838.3m峰山頂(13:01)
旧入野峠を上り返し、更に南東に尾根をたどると、県道79号芸北大朝線の入野峠に出た。高野側の道路脇に積まれた間伐材木の上で昼食。入野峠からは、ヒノキの植林地の斜面に取り付く。間もなく闊葉樹の林に変わり、東に続く尾根を30分ばかりたどって、838.3m峰に上る。三角点の標石は見当たらないが、分水嶺の札が掛けられていた。

枕牧場乗越(13:40)

阿佐山山塊 枕林道より(13:46)
838m峰の東隣の尾根に上り返して、南にたどり、ヒノキ林の中を下っていくと枕牧場の乗越に出た。この分水嶺鞍部の東側は、近寄り難い藪であるが、広い湿地になっている。乗越から筏津側に新しい林道が続いており、しばらく行くと素敵な展望が開ける。皆伐の痛ましい面影は最早なく、すっかり緑に被われて、蘇っていた。それにしても、阿佐山と畳山の姿は穏やかだ。
 

枕牧場の牧草地(14:12) 

枕牧場入口(14:43)
乗越の高野側は開墾されて、枕牧場になっている。広大な牧草畑が続いているが、放牧は行われていない。ちょうど、牧草の刈り入れが行われていた。ここは搾乳牛の牧場のようで、林道を下って行くと牛舎や堆肥舎などが点在して、懐かしい臭いが漂ってくる。不思議なくらい静かで、牛の鳴き声がまったく聞こえてこない。乗越から30分で、枕牧場入口のバス停看板が立つ県道40号安佐豊平芸北線に出た。
 

県道79号芸北大朝線の分岐(14:55) 

高野会館(15:15)
枕牧場の入口は、高野から枕牧場を経て移原に抜ける町道が県道を横切って、十字路になっている。県道を1㎞ばかり下ると、県道79号芸北大朝線が分かれ、角に美和郵便局と駐在所が建っている。いずれも、まだ新しい。北広島町の道の良いこと、傍らに建つ公共施設の新しいこと。うーむ。県道79号線をたどること20分、高野会館に還った。途中、道のへりの休耕田にアヤメが咲き揃い、長閑な田園に彩を添えていた。
出会った草花
レンゲツツジ(蓮華躑躅) ツツジ科 コバノガマズミ(小葉莢迷) スイカズラ科 アヤメ(菖蒲) アヤメ科
 



軌跡図 
 所要時間:7時間15分、歩行距離:18.1㎞