匹見二ノ谷(ひきみにのたに)
 
3人 2017.10.01 
奥匹見峡三の谷Ⓟ(6:38/7:16)→三の谷橋南詰(7:22)→元組橋西詰(7:33)→入渓点(7:46/50)→F1(8:14/51)→F2(8:55)→F3(8:57)→F4(9:05/13)→F5(9:20)→F6(9:22)→F7(9:26/45)→F8(9:46/52)→F9(9:56)→F10(10:15/18)→F11(10:21/23)→F12(10:26)→F13(10:29)→F14(10:57/11:23)→F15(11:28)→F16(11:54/12:04)→登山道(12:28)→野田原ノ頭(12:44)→高岳分岐(13:22)→起点(14:12/35)

軌跡図
                                                所要時間:6時間50分、歩行距離:10.6㎞
 この地図は、国土地理院発行の地形図を使用したものである。

アルバム
鹿野さんとカチこさんの沢登りに同行した。行く先は、奥匹見二ノ谷。お二人は、愉しい遡行記録を疾うに発表されている(http://blogs.yahoo.co.jp/hirschwies/66038892.htmlhttp://blog.livedoor.jp/happyclimbing/archives/2017-10-01.html)。遅ればせながら、後塵を拝した僕も備忘録を残しておこう。奥匹見峡三の谷駐車場で落ち合い、装備を整えて二ノ谷へ向かう。気温5℃という今季いちばんの寒さに、先が思いやられる。元組(もとぐみ)橋の桁に大きなスズメバチの巣があり、つわものカチこさんが走って渡る姿がとても愉快。二ノ谷左岸の道は、砂防堰堤の手前で未舗装林道になる。二番目の砂防堰堤の先、橋の手前から入渓する。ちょうど、早朝ウォーク中の地元の人と出会う。我われのこれからの行程を聴き、魂消て居られた。こんな山道の早朝ウォークに、我われもびっくりしたけど・・・。小滝をめぐりながら、400mばかり遡ったところで、F1に出会う。

奥匹見三ノ谷Ⓟ(7:09)

元組橋(7:33)

二ノ谷入渓地点(7:47)

小滝(入渓地点から約200m)(8:00)
細長いゴルジュ淵の奥で、奔流がV字の岩溝を伝っている。このところ雨がないとはいえ、半端な水勢ではない。おまけに、水は超冷たいときている。僕一人だったら、即、高巻くところ。ゼッタイに登れない。ところが、このF1を登るためにやって来たという鹿野さんは、躊躇なく突っ込む。滝直下から中段にかけて少し手間取るが、あとはスルスルッと落口に立った。もちろん、僕は怖気づいてパス。カチこさんが続くも、敗退。それを見た僕は、身の程知らずのアタックを試みる。結果は、滝直下に立ち込むことすら叶わず、撥ね返される始末。カチこさんが二度目の挑戦。アブミを使ったが、セカンドの務めをみごとに果たす。それを見届けた僕は、ガタガタ震えながら、左岸を高巻いた。うーん、みじめ。すぐ上に続く、F2、F3は簡単。でも、寒いので深みに入る気にはなれない。震えながらへつって取り付き、水流を避けて登る。ゴーロ帯を130mばかり遡っていくと、F4に出会う。ゴルジュ出口が5mの岩壁段差になって、右岸寄りの岩溝を水流が伝っている。鹿野さんは、左岸中段から右岸テラスに乗り移り、滝芯を攀って落口に立つ。カチこさんも、お助けロープをもらってあとに続く。僕にあんなオソロシイところ、登れるわけがない。恥ずかしながら、左岸を巻き上がる。

F1(8:42)

F2(8:54)

F3(8:57)

F4(9:05)
すぐ上の小滝F5を越えて少し遡ったところに、トユ状滝F6が架かっている。突っ張って登れば、難しくない。流倒木の引っかかった大ゴーロを越えた先で、F7に出会う。両岸が切り立った嶮谿のV字床を、細長い淵へと、水流が滑り落ちている。上段の難しいところに流倒木が引っかかっており、鹿野さんのリードで難なく越える。以前の美しい滝面であったなら、僕に上段はとても難しく、左岸を大高巻きすることになったかもしれない。

F5(9:19)

F6(9:22)

F7下段(9:55)

F7上段(9:31)
続くF8、F9にも流倒木が引っかかり、台無しの有様。おかげで、登るのは楽ちん。お二人には物足りないことだろうけど…。F9上の小滝を越えたところで、ゴルジュは終わる。250mばかり遡ってF10に出会い、再びゴルジョになる。斜めの露岩滝で、登るのは簡単。

F8(9:46)

F9(9:54)

F10(10:16)

F10上段(10:18)
F10に続くトユ状の露岩床に流倒木が詰まり、愉しい遡行が台無しだ。階段状滝F11、副流が左から合わさるV字滝F12、流倒木が引っかかった階段状スラブ滝F13、滝にカウントしてもよいような大ゴーロと続いて、二段の露岩滝F14に出会う。上段はスラブ状で、滝直下はかぶっている。滝面左右の草つき岩壁を登るのは容易いが、鹿野さんが取るラインはどこまでも水流に沿っての直登だ。かぶった右岩壁に取り付いて、上段から流身を攀る。セカンドのカチこさんも、みごとに突破。僕はこの時、ほとんど低体温症状態になっていた。あわてて乾いたアンダーに着替えるが、もはや気力は萎え萎え。

F11下段(10:21)

F11上段(10:23)

F12(10:24)

F13(10:29)

F14(10:42)

F14上段(10:59)
リタイヤして右岸を巻けば、核心部を登りきった、ツーショット笑顔がまぶしい。C/S小滝F15の上は、開けて平凡な谷になる。階段スラブ床のF16を過ぎると、急に源流域の様相になる。ヤブ沢を詰めること25分、ヘロヘロになって登山道に飛び出す。待ちくたびれたであろう二人にようやく合流し、登山道を起点へとたどった。

F14落口(11:23)

F15(11:28)

F16(11:54)

登山道(12:28)

高岳分岐(13:22)

起点に還って生クリに夢中のお二人(14:12)